こんにちは、マルベリーです。
あなたは将来の夢や目標を思い描いた時に、インターネットや本で成功者の体験を参考にしたことはありませんか?
しかし、読んでいるうちに
![疑う猫](https://marumemo.blog/wp-content/uploads/2024/02/PXL_20240206_014415863-1.png)
これって、単にこの人が恵まれてるから達成できたのでは?
と、思ったことがあるのではないでしょうか?
この記事では、そんなあなたのモヤモヤを解決する「生存バイアス」について解説します。
生存バイアスとは、成功した例だけを見て判断を下す傾向のことを指します。
しかし、これには落とし穴があります。
この記事を読んでいただければ、あなたはきっと自分の視点で成功体験を利用できるようになるでしょう。
成功体験は生存バイアスにまみれている
あなたが成功体験を読んでモヤモヤするのは、それが「生存バイアス」に満ちているからです。
生存バイアス(せいぞんバイアス)とは、何らかの選択過程を通過した人・物・事のみを基準として判断を行い、その結果には該当しない人・物・事が見えなくなることである。選択バイアスの一種である。
Wikipedia:「生存者バイアス」の頁より
(ちなみに「生存者バイアス」も「生存バイアス」のいずれも正しい表現です。)
これを成功体験に置き換えると、成功した人間が主観で伝える物事しか見えなくなるということになります。
これがどういった問題を引き起こすのでしょうか?
夢破れ、散っていった人間の事例は考慮されなくなる
成功というのは、夢破れ散っていった多くの人間の失敗の上に成り立っています。
つまり、失敗があるから成功があるのです。
「勝てば官軍負ければ賊軍」
という言葉が示す通り、失敗者の多くは相手にされません。
「ただの言い訳」、「努力が足りなかっただけ」などと一笑に付されるのが世の常です。
しかし失敗者の中には経済的理由や病気で夢を断念せざるを得なかったり、今一歩のところで達成できず、涙を飲んだ人間も多くいるはずです。
そういった人達の存在を考慮にいれず、果たして正しい判断が下せるでしょうか?
生存バイアスで目がくもる具体例
ここで成功体験に生存バイアスがかかっている場合の具体例を紹介します。
具体例 東京大学に合格した人間の成功体験
合格者本人や親がにこやかに語る「この勉強法のおかげで~」とか、「幼い頃からの育て方で~」といった記事を見たことがある人もいるでしょう。
もちろん彼らは嘘を言っているわけではないので、思わず納得しそうになります。
ですが実はその思考にも生存バイアスがかかっています。
東大生の家庭の世帯年収は、7割以上が750万円を超える!
東京大学の調査によると、東大生の家庭の世帯年収は、74.3%が年収750万円を超えているという事実が判明しました。
また同調査では、東大生の実家の所在地につき、35.2%が東京都、34.5が関東地方(東京都を除く)であると明らかにしています。
約7割が関東地方出身ということになりますね。
(もともとの人口が多い影響はあるでしょうが、それだけでしょうか?)
(出典:「学生生活実態調査」東京大学、2018年)
ちなみに同年度の厚労省の調査によると、日本の世帯年収の平均額は約550万円で、800万円以上はわずか20.9%という結果。
(50万円単位のデータは見つけられませんでした。)
(出典:「国民生活基礎調査」厚生労働省、2018年)
これらのデータから、東京大学の学生の多くが比較的裕福な家庭から来ていることがわかります。
これは、高等教育が一部の社会階層に偏っている可能性を示しています。
もちろん家庭の収入や実家の所在地だけで全てが決まるわけではないですし、例外の方も多いでしょう。
ですが、生まれついた環境が大きな要素を占めることは到底否定できません。
これは、我々が成功体験を評価する際に、個々の努力だけでなく、その人が置かれた環境も考慮に入れるべきであることを示しています。
受験生の努力やご家族の支えを否定する意図は一切ございません。
生存バイアスに満ちた成功体験、どう利用するかはあなた次第!
東京大学を例に具体例をお示ししましたが、似たような生存バイアスは様々な形で存在します。
理解した上で、
「自分はそれでも挑戦するんだ!」
という方であれば、私は全力で応援します。
しかしながら成功者やその体験に心酔し、冷静さを失っている場合もあるでしょう。
その場合は一呼吸おいて、生存バイアスの存在を認めた上で判断することをおすすめします。
まとめ
今回は生存バイアスにまみれた成功体験をテーマにお話ししました。
既に挑戦することを決めて、やる気になっている方にはうざったい内容だったかも知れません。
ですが成功体験を盲信することと、一歩引いて冷静な決断をすることの間には、天と地ほどの差があります。
あなたの情熱を燃やし続けるために、成功体験を上手く利用して欲しいです。
ではまた別の記事で!